アメリカ 旅行(南部~東海岸/ランカスター、ストラスバーグ) May, 10, 2019

  1. アーミッシュ・ファーム
  2. ストラスバーグ鉄道

 

 ハリスバーグからランカスターまで向かう途中にハーシーチョコレートアミューズメントパークがあります。チョコレートワールドや多くのジェットコースターがあり、時間があれば行きたかった。街自体がチョコレート会社そのものに感じ、清潔で犯罪感が漂わない素敵な街でした。

f:id:USAKO6363:20190609163741p:plain

開園前は、無人操行するジェットコースター

 ランカスターの街は、アーミッシュ(次項言及)が多く居住する地域として有名です。中心部には、セントラルマーケットというファーマーズマーケットがあり、曜日限定(2019/5/10時点で火、金、土)で開催しています。周辺の駐車場は有料(目安料金3ドル/30分)です。アーミッシュもここで農作物を販売しており、新鮮な野菜・果物が陳列されています(アーミッシュは農業に化学肥料や農薬を使用しない)。野菜類を購入したかったのですが、籠盛りで食べきれる量ではなかったので諦め、代わりにホームメイドスイーツらしきものを購入しました。あとで、博物館で知ったのですが、アーミッシュの伝統的なお菓子だったようです。見た目より優しい味でした。

f:id:USAKO6363:20190609164122p:plain

セントラルマーケット周辺

f:id:USAKO6363:20190609165224p:plain

ウーピーパイ

 

1、アーミッシュ・ファームと家(The Amish Farm and House)

 アーミッシュとは、ヨーロッパからアメリカ合衆国やカナダに移民した宗教集団を指します。彼らは移民当時の生活様式アイデンティティを喪失しない近代技術以外は使用しない)を保持し、農耕や牧畜によって自給自足生活をしています。教会はもたず、集い祈る際は各家で持ち回り、純粋な宗教儀式のみ(神の教えのみ)に徹しています。写真技術も認められていないため、彼らは写真を拒みます。アーミッシュの生活写真を撮影できる観光用の施設が数箇所設けられており、その中でもThe Amish Farm and Houseはアメリカにおける初めてのアーミッシュ観光施設です。建築物自体は1805年に建てられ、7代に亘ってアーミッシュの居住地とされてきましたが、1955年以降は観光施設となります。

f:id:USAKO6363:20190609161146p:plain

現地情報:https://www.amishfarmandhouse.com/    ハウスツアー9.95ドル/人

 バスでアーミッシュ居住区をドライブするツアーもあります。

 ハウスツアーは1時間おきに催行されます(毎時45分スタート、9:45~)。ファームはチケットを購入した後に、セルフ観光します。私は、ハウスツアーまでに時間があったので、先にファーム観光しました。学校、家畜や鍛冶場等を見学できます。

f:id:USAKO6363:20190609170007p:plain

教育は、ドイツ語、ペンシルバニアドイツ語、英語、算数、神学

f:id:USAKO6363:20190609170215p:plain

 ハウスツアーは、案内人が家の様子を説明してくれます。ツアー時間は概ね45分です。中世時代の暮らしを現代でどう営んでいくのかと、疑問を多く持ちます。聞き取れた範囲で、商用電源の代わりにガスや蓄電池を使用、情報収集は地方新聞のみ、服装は皆同じ質素なデザインです。女性はノーメイク、お洒落厳禁です。女性服装のワンピースは可愛らしいですが、上半身と下半身部分は針で接続されていてます(中世時代はボタンも貴重品!?)。

f:id:USAKO6363:20190609172847p:plain

女性の服装

f:id:USAKO6363:20190609170912p:plain

 日本にいると、(ほぼ同一民族のため)違う文化を持った人々に遭遇する事は滅多にありませんでしたが、地球上には、確固たる信条を持って独自の暮らしをしている人々が多く存在していると実感できました。違う文化を受け入れにくい事はしばしばあるかもしれませんが、排除するのではなく、お互いを尊重しあって共存していける世の中が理想です。そのためには、自分のそれまでの常識を全て取り除き、他文化に触れる事が大切だと感じました。

 

 ランカスターのアーミッシュハウスからストラスバーグ鉄道までは車で10分ほどです。この一帯はアーミッシュ住居が多く、道路を走行している馬車や住居(家の特徴:馬車が停車している、電線が通っていない、洗濯物が干されている等)を見ました。農作業している方も見かけましたが、電気機械を使用せず、馬を使った収穫作業をしていました。馬車なんて、まるで中世~近代映画を見ているようで感動したので写真に収めたかったのですが、現地の方が嫌に感じると思い断念しました。ちなみに、ウィキペディアアーミッシュと調べると馬車の写真が掲載されていますので、気になる方はご覧ください。

 ストラスバーグ鉄道の側のレストラン(Isaac's Restaurant)でランチをしました。レストラン内は、列車を利用したデザインになっていて素敵でした。

f:id:USAKO6363:20190610173109p:plain

 

2、ストラスバーグ鉄道(Strasburg Rail Road)

 アメリカの歴史は、鉄道なしでは語れない程、鉄道の発達と国の発展は緊密な関係です。独立後の国内交通網は、水路に頼るところが多く陸上は非常に貧弱で、移民は入植した土地外に出ることはないのが一般的でした。イギリスの影響で、蒸気機関車の運行が1830年~始まりますが、資源に恵まれるアメリカで大きな利益の上がる事業だと判明し、鉄道狂時代(鉄道熱)に突入し、1850年代には東海岸からミシシッピ川以東まで路線網ができあがりました。

 南北戦争で鉄道の輸送力が軍隊の機動性に大きな影響をもたらします。鉄道破壊も主な戦略の一つになりました(同時に工兵も急速発達)。その後20世紀半ばまで鉄道が軍事輸送に決定的な役割を果たしました。WWⅡ後は自動車や航空機の台頭により鉄道の需要が徐々に減少し、現在は貨物輸送を中心として活動しています。

 ストラスバーグでは、蒸気機関車を観光資源として活用しており、実際に乗車することもできます。また、併設された博物館では、アメリカ歴史で活躍してきた蒸気機関車が展示されています。

f:id:USAKO6363:20190610181355p:plain

現地情報:https://www.strasburgrailroad.com/  運賃:15.5~/人

 蒸気機関車に観光乗車できるプラットホームの横に広い駐車場があります。乗車時間の20分前には現地に到着することをお勧めします(チケットカウンターで並ぶ可能性があるため)。私は、確実に乗車したかったので、前日にHPからオンライン予約しました。博物館の入場券とコンボもできて、1ドルくらいお得になります。現地到着後は、チケット売り場で予約確認メールを見せて切符を受領します。蒸気機関車は、乗車時間の約10分前に汽笛と鐘の音とともに姿を現します。

 

f:id:USAKO6363:20190610182809p:plain

ムービーに集中してしまったため、写真撮影を忘れた

 出発時間の5分前にはホームに到着して、各人乗車します。車両は、どれに乗っても良いというわけではなく、料金によって区別されています。私はコーチ席(スタンダード車両)で、上写真でいう奥側の車両(出発時には先頭側)に乗車しました。平日だったためか、座席にはかなり余裕がありました。往復9マイル(45分間)走行です。 

 山を望みながら、穏やかな農業地帯を走行します。

f:id:USAKO6363:20190611091751p:plain

車窓から

 途中停車して、汽笛パフォーマンスをしてくれました。汽笛は走行中に適時鳴らされていますが、その停車ポイントは特別で、山に音が反射する山彦現象が起きるのです。そして、運転士は軽快な汽笛音を作り上げるため、山彦と合わせて汽笛同士で楽しく会話をしているようでした。汽笛の美しい音色にうっとりして、音を録音し忘れました。復路で録音を試みましたが、往路でしかパフォーマンスされませんでした。折り返しポイントでは、機関車が先頭から後方に機回しされます(客は乗車したまま待機)。

f:id:USAKO6363:20190611092008p:plain

 鉄子ではないですが蒸気機関車乗車で感動しました!おすすめアトラクションです。

 

 プラットフォームがある敷地から道をはさんだところに鉄道博物館があります。広い館内には、所狭しと言うくらい機関車が展示されています。当時の街並みも再現されているコーナーがあり、その一角でNゲージが走っていました。傍らでリタイアおじいちゃんたちがNゲージ列車を製作してました。実家にもNゲージが走っているので、父がここに再就職できたらどれだけ幸せだろうかと思い懐かしく感じました。

f:id:USAKO6363:20190611093306p:plain

f:id:USAKO6363:20190611093107p:plain

 

f:id:USAKO6363:20190611092631p:plain

初期のSLは小顔

 

f:id:USAKO6363:20190611092720p:plain

だんだん顔デカになる

f:id:USAKO6363:20190611093437p:plain

 

f:id:USAKO6363:20190611092949p:plain

屋外にはみ出すほど豊富な車両

 

 ストラスバーグを出発し、次はフィラデルフィアへ向かいます。そして、市街でレンタカーを返却します。空港でのレンタカーショップはだいたい早朝から夜遅くまで営業していますが、街中のレンタカー屋はオフィス営業時間と同じケースが多いです。今回は、19時に閉店してしまうので、余裕を見て17時到着予定で出発しました。フィラデルフィアは大都市のため、車の交通量が多いとは分かっていました。帰宅時間と被りますが、中心部へ向かう方向だから大丈夫だろうと思っていたら、車社会の大都市は厳しい!大渋滞にはまりました。上りも下りも激しく渋滞しており、高層ビル群は目視できるのに、なかなか辿り着けません。さらに、ハイウェイを降りてからの市街走行が地獄で、シティホールの周りはトラップです。その後土日2日間滞在して交通量の様子を見ていましたが、金曜日(平日)は渋滞要注意です。何とか閉店30分前にはレンタカー屋に到着し返却できました。市街は車幅も狭く、返却場所の駐車場も狭く擦りそうになりました。レンタカーのスタッフに何でトラック選んだの?と聞かれたくらいですから、市街走行にはトラックはむかないようです。

 トラックには10日間お世話になりましたが、なかなか餌代がかかる車体だと実感しました。アクセルを離すとすぐに減速します。でもアメ車運転は、良い経験となりました。

f:id:USAKO6363:20190611102738p:plain

 以上、ランカスター及びストラスバーグの旅でした。明日から2日間はフィラデルフィアです。