アメリカ 旅行(南部~東海岸/テネシー) May, 4, 2019

 


 

  1. ロックシティ
  2. ルックアウトマウンテンミュージアム
  3. インクライン鉄道

 当初、ジョージア州からバージニア州まで直行する予定だったのですが、旅行直前に急遽テネシー州チャタヌーガを旅程に組み込みました。そのきっかけとなったのが、アメリカ軍人と南北戦争の話をしている時で、おすすめの南北戦争史跡を訪ねたところチャタヌーガを強く勧められました。南北戦争勝敗の転換点となる戦として、ゲティスバーグ及びビックスバーグの戦いが有名ですが、その後のチャタヌーガの戦いを抜きにして北軍の勝利は語れない事は確かです。(リンカーン大統領もチャタヌーガを支配する者は戦争に勝利すると言及している。)当時チャタヌーガは、①鉄道の中継地点(北はナッシュビル、ノックスビル~南はアトランタ)であり、②航行可能なテネシー川に沿っているので、金融、商業、製鉄等の産業が発達しており、③ディープサウス(アトランタ)への入り口でもあり、両軍にとって非常に戦術的価値のある土地でした。実際、この地を巡って両軍の間で取ったり取られたりの戦いを繰り返します。1863年9月には、北軍は占領したチャタヌーガで南軍に包囲され兵糧攻めにあい撤退しました。これは、ゲティスバーグ、ビックスバーグの戦いで勝利した後の北軍にとって致命的な敗北であり、チャタヌーガが南軍の手にある限り北軍は勝利から遠ざかります。この戦いは、西部戦線最大の敗北といわれています。当時の北軍指揮官は解雇され、代わりにビックスバーグの英雄グラントが送り込まれ、第3次チャタヌーガの戦いで南軍を撤退させることに成功し、ディープサウスに切り込み、一気に終戦に近付きます。

 激戦が繰り広げられたチャタヌーガですが、何故南軍が奪われた土地を奪い返せたか。そのキーポイントは、チャタヌーガの地理的特性にあります。チャタヌーガという地名はインディアン・クリーク族の言葉に由来しており、意味は「Rock rising to a point」で、テネシー川を見下ろせる特徴的なな岩山(Lookout Mountain)の事です。この山からはテネシー川やチャタヌーガを一望でき、ここに陣取っていた南軍がチャタヌーガ北軍への支援物資を妨げて、包囲戦に勝利しました。

 戦後の岩山は、チカマウガ・チャタヌーガ国立軍事公園として保存されました。その他、ガーデンや列車等で観光地化されました。

 ビックスバーグでもそうでしたが、自然物を上手く活用して要塞化された地形をぜこの目で確認したく、訪問しました。

 

1、ロックシティー(Rock City Garden)

 特徴的な岩山一部を含む敷地を実業家が買い取り、1932年から観光地としてオープンしました。敷地は、歩道が整備され、ガーデニングされています。また、創業者の奥様のご趣味で、ノームがところどころで遊んでいる風景が見られます。見所は、インスタ映え間違いないの切り立った岩とヨーロッパ童話が集ったFairy Landです。

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現地情報:http://www.seerockcity.com/料金:22~27ドルくらい(日によって異なる)

 山上の敷地内に無料駐車場があります。チケット売り場では、他の観光地(ルビーフォール、インクラン鉄道、チャタヌーガシアター)とのコンボチケット(割安)も販売されています。お土産売り場の奥がガーデンの入り口になっています。観光ポイントが42個もあって広いので、早足で廻ったとしても1時間弱掛かりそうです。歩道は一本道で、最初の見所は岩の隙間です。珍しく身長ではなく、横幅制限があります。その後はたくさんのノームが出迎えてくれます。

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 中間点で一番の見所であるLover's Leapです。とても神聖な地形に感じました。正にチャタヌーガ(Rock rising to a point)!

 Lover's Leapという地名は、アメリカでは複数あり、致命的な落下具合で故意に飛び跳ねるようなリスクがあるところに名付けされています。ロマンチックな悲劇の言い伝え(例えば結ばれない二人の跳躍等)が結び付けられる事が多いです。

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ラバーズリープ

  すぐ側に7州の旗がはためいているスポットがあります。ここから7州(アラバマジョージアサウスカロライナノースカロライナバージニア、ケンタッキー、テネシー)を全て見渡せます。南北戦争の各戦いの中で、それぞれの州に特徴的な地形について言及されており、ケンタッキー方面は山が連なっていたし、ディープサウス方面は地平線が続き、その通りだと確認できました。これだけ見通しが良く、この地に陣地を張られたら、相当手強いなと感じました。

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 Fairy Landに入ると、日本人にも馴染み深い物語の人形が多く展示されていて、幻想的な世界です。

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2、ルックアウトマウンテンミュージアム(Look Out Mountain Battle Museum)

 冒頭で述べた南北戦争の戦場跡が残されています。チカマウガ・チャタヌーガ国立軍事公園には、チカマウガ戦場跡とルックアウトマウンテン戦場跡の二箇所あります。今回は、ルックアウトマウンテンを訪れました。

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 現地情報:https://www.nps.gov/chch/planyourvisit/basicinfo.htm 入場料:7ドル/大人

  目の前にビジターセンターがあり、その敷地に駐車場があります。ビジターセンターは小規模ですが資料の展示もあります。門を入ると、自動券売機があるので入場料を支払います。ロックシティーを出発した後大雨になり、山頂は残念ながらガスってしまい、チャタヌーガの市街地やテネシー川を全くルックアウトできませんでした。

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晴れていれば、砲台の向いている方向にチャタヌーガ市街が見える

 天気が悪くて戦場をイメージできなかったので、ビジターセンターの横にあるThe Battles for Chatanoogaでデジタル・ジオラマ・バトルショウを鑑賞しました(料金:7.95ドル/大人)。お土産屋を兼ねた小規模なお店で、唯一のスタッフがレジにいたので、ジオラマを見たいと申し出たところ、客が私しかいなかったためか、すぐに上映されました。ジオラマを使った説明は非常に分かりやすかったです。その他、店内にはこの地で発掘された南北戦争の遺品が展示されていました。

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3、インクライン鉄道

 南北戦争後に、戦場跡へ訪れる観光客が増えたので、1885年に(山頂と麓を結ぶ)インクライン鉄道1号が運行しました。一号の会社が経営不振にり鉄道を放棄した後、1895年に別会社が買収し2号の運行を始めました。それが、今も現役で72.7%の急傾斜を走っています。当初は石炭運行でしたが、1911年に二つの100馬力モーターにアップグレードしました。

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上:山頂駅 下:山麓

現地情報:http://www.ridetheincline.com/    料金:往復15ドル/大人

 駐車場に関して、山麓駅は駅の隣に比較的大きな駐車場があります。山頂駅では、目の前の道路にコインパーキングの様な数台停められるスペースがあります。私は山頂駅に駐車しましたが、1時間3ドル程度でした(自販機で前払いしレシートをフロントに置くタイプ、カード可)。駐車場側には、時間を超過した車を通報してトーアウェイ(牽引)する気であろうポリスカーが駐車してました。駅入り口正面のカウンター往復切符を買うと、出発アナウンスされたら乗車してと言われるだけで時間も知らされず適当な感じでした。お土産を見ているうちにアナウンスされ、乗車。口コミでは、2時待ちとか恐ろしい情報が掲載されてましたが、悪天候のせいか客は少なく、待つことなく乗車できました。72.2%の傾斜は直角に滑っている感覚で、意外に迫力がありました。ロープウェイに似ています。晴れていれば、絶景が見えるのだと思います。

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下山してくと街の様子が見えてきた(乗車時間は10分くらい)

 山麓駅で下車した際、駐車1時間分しか買ってないし、下車せずにすぐに引き返そうと考えていたら、なんと30分間隔運行。麓を30分観光できるという事ですが、いよいよ駐車時間が危なくなってきて、レンタカーが持ってかれるかと落ち着かなかったです。散歩程度で早めに駅に戻り、確実に次の列車に乗車したところ、55分で車に戻れました(残り5分)。山頂駅の出発時点で10分以上列車を待機していたら、駐車時間がオーバーしていました。アメリカの時間制限パーキングで時間ギリギリに戻ってきたら、牽引車に待機されていた経験もあり、駐禁は厳しいので要注意です。インクライン鉄道において、前払いパーキングに停める際は、受付で待ち時間を聞くか、余裕をもってお支払いされる事をお勧めします。山麓駅周辺にはレストランが数件あります。山頂駅には、お土産とスイーツを販売している売店があります。

 

 本日の最終目的地は、バージニアシャルロッテビルです。長距離運転になるため、昼過ぎにチャタヌーガを出発しました。ランチは、今までのハイウェイドライブで良く見かけて気になっていた黄色看板のお店クラッカーバレル(Cracker Barrel)です。蓋を開けると、このお店も南部料理を楽しめるレストランでした。チャタヌーガ付近のクラッカーバレルに14時近くに到着しましたが、混雑していて10分程待ちました。雑貨屋が併設されているため、時間潰しには問題ありません。店内は、ルックアウトマウンテンに関する内装で、地元密着型で面白いです。お勧めのフライドチキンを注文したところ、なかなか来なくて、スタッフが来てフライドチキンに30分掛かると申告されました。照り焼きチキンはすぐにサーブされたので、フライドチキンはオススメなだけあって、手が込んでいるのかもしれません。メニューは、メイン1品にサイド2品がついていました。また、主食はグリッツのマフィンかビスケットどちらかを選べました。

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  午後は、約8時間のドライブです。シャーロッツビルに到着したのは23時でした。

 以上、チャタヌーガの観光でした。次回は、バージニア州を旅します。