アメリカ 旅行(南部~東海岸/バージニア) May, 6, 2019

  1. フレデリックスバーグ国立軍事公園

  2. 立海兵隊博物館
  3. マウント・バーノン

 

1、フレデリックスバーグ国立軍事公園(Fredericksburg National Military Park)

 南北戦争中、フレデリックスバーグはやその周辺は、合衆国首都のワシントンD.C.と連合国首都リッチモンドの間にあったため、アメリカで最も争われた地となりました。特に1862年12月のフレデリックスバーグの戦いは、南軍が北軍に対して完全に勝利したということで有名です。この戦いによる南軍士気高揚効果は絶大でした。南軍はこの勢いで、合衆国領土まで攻めてくるので、北軍は大ピンチでした(リンカーンは、狂気に近い神経的興奮状態に陥るほど)。

 現地には、戦場で南軍が積んだ石壁、当時の作戦本部があった建物(Brompton)、南軍狙撃手が使用していた民家等が保存されています。

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現地情報:https://www.nps.gov/frsp/index.htm 無料  

 駐車場はビジターセンターの裏側です。観光時間の目安は1~1.5時間です。ビジターセンター内には、小規模な展示があります。

 北軍が「Telegraph(電信機)」を初めて戦争で使用し、その時のものが展示されていました。それまでの通信手段は「人」でした。私が南北戦争に見る各方面作戦失敗する時の大きな原因は、部隊間のコミュニケーション不足にあったと考えます。「人」を介して伝達すると、迅速性や正確性に欠け、そして戦場では途切れる可能性も大きく、非常に不安定です。これを改善できたとしたら、戦局は大きく変化しただろうと信じています。おそらく、当時の軍人も通信問題について課題を抱えていたのでしょう。この電信機が登場しました。川を越えて指揮所と最前線が通信できるよう、北軍通信兵が有線を繋ぎました。この戦いでは有用ではなかったのですが、軍事通信技術歴史上のマイルストーンになったことは確かです。元々通信兵であった私にとって興味深いアイテムでした。今となっては、素敵なアンティーク雑貨に見えます。

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アメリカ戦史で初めての電信機登場

 ビジターセンター側面のSunken Road(サンケンロード)に戦場跡があります。倒れている兵士に水筒をあげている兵士のモニュメントがありますが、これは実際にあった逸話を基にしてます。南軍兵士が、寒い冬の戦闘で怪我して動けない瀕死の北軍兵士に水を与え続けました、しかも敵に狙撃される可能性があると知りながら。北軍側も彼の意図(救援)が明確だったので、彼が水を与えてい間は攻撃を中止しました。その崇高な慈悲心の持ち主である南軍兵士は、メアリーハイツ(場所の名前)の天使と呼ばれています。戦争がなければお互いに思いやりをもてる人々なのに、政治家を含む一部の指導者が始めた戦争によって、こうした一般市民同士を殺し合わせるなんて(しかも指導者は安全な場所にいる)、これほどやりきれない事はあるでしょうか。(「戦争しかない!」と叫ぶ政治家を選ぶ国民の責任ということでしょうか。戦争反対の政治家が戦争を始めるケースもありましたが。)この話しは美談とされていますが、戦争の虚しさと悲しみを感じました。

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フレデリックスバーグの戦いでの美談

 

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上:南軍が構築した石壁 下:狙撃ハウス

 また、フレデリックスバーグは南北戦争最初の市街戦になった場所でもあります。市街地までドライブし、車窓観光しました。レンガ造りの歴史観漂う町並みでした。北軍が渡河に苦労したラッパハノック川を渡って次の目的地へ向かいます。

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2、国立海兵隊博物館(National Museum of the Marine Corps)

 アメリ海兵隊は、独立戦争動乱の中で誕生し、200年以上の歴史を持っています。ここではその歴史を展示しています。とても特徴的な外観をしていて、ハイウェイからも目立って見えます。アーリントンとフレデリックスバーグの中間に位置しています。

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現地情報:https://www.usmcmuseum.com/  無料

 駐車場は敷地内にたくさんあります。入り口でセキュリティーチェックされます。大きなバッグや水・食べ物は持ち込めません。内部はサークル上になっていて、一周できるしくみになっています。まずは、入場して左側のシアターから始まりますが、開始時間が区切られているため、時間になるまで展示物を鑑賞します。シアターの隣からは、海兵隊の入隊コーナー、歴史展示ゾーンを見学します。

 最初はイギリス軍の真似をして作ったその場限り部隊な性格から始まり、その作戦内容から陸軍と混合されたり、海軍と指揮系統で揉めたりと、日本には馴染みない組織です。平時での存在価値についてしばしば議論になるようですが、有事の際は先頭きって戦地を切り開いていきます。第二次世界大戦コーナーでは、特に硫黄島の戦いに関する説明に力が入っており、太平洋戦争後期の上陸戦では、アメリカ軍損害実数が日本軍を超えた稀有な戦いとしてアメリカ歴史上でも有名です。退役軍人も常駐しており、栗林忠道に関する説明をしてくれました。アメリカでは、敵国の指揮官であっても優秀ならそれを尊敬する風があり、彼もまたよく研究して賞賛してました。歴史ゾーンのボリュームが大きいので、見学に最低2時間は掛かると思います。

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1866年 海兵隊募集チラシ

 館内にはレストランもあり、入り口のスタッフから「おいしいよ!」とお勧めして頂きました。特に海兵隊メニューでもないですが、ボリュームあって美味しかったです。

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ハンバーガーとサラダ

 

 

3、マウント・バーノン(George Washington's Mount Vernon)

 アメリカ初代大統領ジョージ・ワシントンの邸宅及びプランテーションです。彼は大統領任期中も含み約45年間そこに住みました。内装は1799年を再現しています(家具はオリジナル、時代物、模造品)。婦人会の寄付により運営されてます。

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 現地情報:https://www.mountvernon.org/  入場料:20ドル/人

  敷地内に駐車場があります。チケット購入後にオリエンテーションセンターに入場しますが、荷物検査があります。飲食物(水はOK)・大きなバッグは持ち込み禁止です。チケットに時間が記載されていて(整理券)、それは邸宅ツアー開始時間です。チケット売り場から邸宅までは徒歩15分程かかるので、時間を見ながら行動します。集合場所は、邸宅ではなく、パンフレットの地図上に示されていて、チケット売り場のスタッフから指示されます。オリエンテーションセンターにはシアターがありますが、人気がなくスタッフにお願いしたら上映してくれました。(他に誰もいない。)邸宅周辺は、修学旅行生と思われる団体をはじめ多くの観光客で賑わっています。

 邸宅ツアー(撮影禁止)ですが、各部屋毎に案内人がいます。ちょうどフランス語修学旅行生と同じまとまりになってしまったのですが、解説者が学生たちに「ワシントンはフランスとの友好をすごく大切にしていた。」とアピールしていました。木造建築で、モンティチェロとは違った家庭的な家でした。家の裏側から、ポトマック川を一望でき素晴らしい光景です。自然が残っているので、ワシントンもほぼ同じ風景を眺めていたのだと思います

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 ワシントンは農業家でもあったため、プランテーションには様々なガーデンやパイオニアファーム(革新的な農業や漁法)があります。また、奴隷の仕事場や生活場所も保存されています。

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鍛冶場

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奴隷部屋

 

ワシントンの眠るお墓は聖地化されてます。(大声禁止区域)

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奥様と一緒に眠るジョージ・ワシントンの墓

 

 また、ガーデンから出るときには入り口と違う建物(教育センター)を通過して出るのですが、博物館があり、ワシントンゆかりのアイテムや蝋人形の再現等を見られます。私は14:30に入場したので、閉園まで2時間30分滞在しましたが、全然時間が足りませんでした。しっかりと見学する場合は、半日掛かりになると思います。

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 そろそろフライドチキンに満足してきた時期になり、夕飯には大好きなインドカレーを頂きました。都市部なら、エスニックレストランも豊富なので有難いです。フライドチキンは毎日食べられませんが、インドカレーなら毎日ウェルカムなほど好きです。

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インドカレー ファストフード

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  以上、バージニアの旅二日目でした。明日から二日連続ワシントンD.C.観光です。